認知による日本国籍取得

出生時に日本国民との法律上の親子関係が存在しなかったため出生により日本国籍を取得しなかった子について、出生後に日本国民から認知されて日本国民との法律上の親子関係が生じた場合には、届出により日本国籍を取得することができます。

これは、子の出生前に父が認知していれば国籍法２条１号により当然日本国籍を取得すべき子について簡易な国籍取得の途を開くことによって、出生による国籍の取得の制度を補完するものです。

１、父または母が認知したこと。

認知の要件については、法の適用に関する通則法２９条により、出生時の父の本国法、認知時の父の本国法又は認知時の子の本国法によることになります。日本法による場合には、血縁上の父子関係があることが認知の要件であるとされていることから、血縁上の父子関係にない虚偽の認知がされている場合には、国籍取得届も不適法となり、国籍取得の効果は生じないことになる。

２、子が２０歳未満であること。

２０歳を超えて外国人として生活した者は、個別に帰化の手続きにより事情をはんだするのが相当とされたものです。

３、日本国民であったことがないこと。

国籍不留保者（国籍法１２条）も、いったんは出生により日本国籍を取得することになるので本条の届出によっては日本国籍を取得することはできず、１７条１項の届出によることになります。

４、認知をした父が子の出生の時に日本国民であったこと。

血統主義の補完である以上、当然必要とされる条件です。

５、認知をした父が現に日本国民であること（又は死亡の時に日本国民であったこと）。

この条件は、届出により国籍を取得しようとする者と我が国との届出時における結合性を必要とする趣旨です。

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